そうだ、歯医者に行こう

歯の治療にまつわることを、詳しく解説していきます

第2話 「こないだ虫歯ないって言われたよ?」

こんばんは。不定期更新の予定ですが、気持ちが乗っているので勢いで更新です。

 

今日のテーマは、「歯医者に虫歯がないって言われたのに、別の歯医者には虫歯があるといわれた問題」です。これは、経験ある人もいるのではないでしょうか?

 

結論から言うと、この問題が起こるのは、「虫歯を削るための基準が曖昧(あいまい)だから」です。どういうことでしょうか?

 

もう少し正確なお話をすると、歯科保存学会なる組織がまとめた「う蝕(うしょく)治療のガイドライン」と呼ばれるものがあり、その中ではこのような記載があります。

 

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色々ありますが、まず注目すべきは、「絶対処置をしなければならない」ではなく、「ただちに修復処置を行うことが望ましい」であることです。絶対的なルールではないのです。

私の考えとしては、上記に該当する場合、患者さんに状態を説明したうえで、患者さんの意思に委(ゆだ)ねられるべきだと思っております。

 

ちなみに、ちょっと専門的な話になりますが、実は虫歯をどこまで取るかの基準もかなり曖昧(あいまい)だったりします、、

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めちゃくちゃ主観と経験則です。これでいいのか、ガイドライン?!(笑)

一応これをフォローすると、う蝕検知液(うしょくけんちえき)と言って、虫歯を染める液がありまして、それで染まるところを最低限取ればいいと言われています。

下の写真は、染め出し液で染色後の虫歯の切片(実験で作った歯のスライス)です。

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写真の上部から、1番目の赤の曲線部分まで虫歯を取り除けば一応は問題ないとされています。

ただ、その液も絶対的ではないため、削りすぎず、取り残しなく虫歯を取るとなると、確かに経験則の要素もあるかな、と思います。

 

ちょっと脱線しましたが、話を戻します。

 

こんな感じなので、小さな穴が開いていても治療したほうがいいという考え(最初の表の1に該当)もあれば、ある程度大きくなってから治療したほうがいい(最初の票の4に該当)、という考えも出てきます。

 

また、患者さんは、「虫歯がある=治療をしないといけない」という思考回路であることが多いのですが、歯科医師は必ずしもそうではありません。虫歯がある、というのはただの客観的な事実としてお伝えすることがあります。

 

なので、トラブルが起こるときの流れは、大体以下のどちらかです。

 

(パターン1)

「ある程度虫歯が大きくなってから治療したほうがいい」考えの歯科医師に当たった後に、「小さな穴があいていても治療したほうがいい」考えの歯科医師に診てもらったとき

 

(パターン2)

治療が必要か不要か関係なく、ドクターが、学問的に虫歯があるということを伝えたい場合

 

その結果、次のような会話(悲劇)が生まれます。

 

歯科医「虫歯がありますね」

患者さん「えっ?こないだの先生には虫歯がないって言われましたよ(or 虫歯があるとは言われませんでしたよ)?」

 

こうやって、悲しいかな、前医への不信感が生まれてしまうのです、、(明らかな虫歯の見落としであればドクターに非がありますが)

この場合、前医が「小さい虫歯がありますけど、まだ治療するほどの大きさではないので、もう少し様子を見ましょう」とか説明しておけばまだいいのですが、保険診療でたくさんの患者さんを診るシステムの病院だと、説明の時間がなかなか割けなかったりするんですよね、、、

 

なので、すごく小さな虫歯は、意図的に治療されなかったり、意図的に「ない」と説明されることがあります。

 

子供の虫歯は、早めに治療したほうがいいことが多いですが、大人の虫歯は進行が緩やかであることが多いので、どちらかというとしっかりブラッシングやフロスをしたり、定期検診に行くことが重要です。

なぜなら、痛みを感じないまま神経の近くまで進むことが多いですから。

しみるのは、前回の投稿にもお書きしましたように、虫歯よりも噛み合わせや歯ぎしり由来であることの方が圧倒的に多いです。

 

定期検診の間隔についてはいろんな意見がありますが、6か月や1年も空けるのは完全にアウトだと思います。それで何も起こらない人もいますが、大体の人は治療が必要な問題が生じます。

理想は2~3か月おきのメンテナンスです。

 

最後に虫歯の治療についての私の見解ですが、小さければ必ずしも治療の必要はないと思います。(虫歯リスクが高ければ、状況が変わることもありますが、基本は適切な清掃習慣と、食生活です)

 

小さな虫歯もしっかり見落としなく管理してもらいたい方は、拡大鏡やマイクロスコープを設置してある医院をお勧めします。私は6倍以上の倍率の拡大鏡があれば、十分だと思います。

ちなみに私は7倍のSurgiTel(Oral Care社)という拡大鏡を使用しておりますが、7倍だとこれくらい見え方が変わります。

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左の画像では分かりにくいですが、右の画像ですと、銀歯と歯の間にがっつり隙間が空いていて、虫歯になっています、、これ、裸眼だと見えず、見落とされることあるんですよね、、なので、正確な情報を得るには、拡大鏡が必須だと思います。

 

そんな感じでまとめですが

①小さな虫歯があることをしっかり伝えてくれて

②治療が歯医者主体ではなく、患者さんの意向を確認し

③メンテナンスでは虫歯の経過を確認してくれる

④拡大鏡を使う歯医者

 

そんな歯医者にかかると安心だと思います。

参考になれば幸いです(*^^*)