そうだ、歯医者に行こう

歯の治療にまつわることを、詳しく解説していきます

第4話 もう、虫歯を再発させないために

前回(第3話)、「んで、治したのに虫歯になってるの?」というお話をさせていただきました。その中で、銀歯が虫歯になりやすいことをご説明し、最後に「保険診療を過信してはいけない」と締めくくりました。

 

ではどうすればいいのか?の答えに触れぬまま更新が滞り、モヤモヤさせて申し訳ありませんでした。

 

結論から言うと、セラミックもしくはゴールドで補修するのが望ましく、私の意見としては「セラミックで補修するのがベスト」です。

 

これらは保険が効かない材料なので、費用はかかります(*保険診療ではないため、料金は病院ごとに異なります)。ですが、どちらも素晴らしい材料です。

 

*ただし、いい食材を使っても、シェフの腕によって料理の出来栄えが違うように、治療結果も、歯科医師の知識や技術に左右されます。念のため(^^;

 

「ゴールドかセラミックか」は歯科医師の中でも意見が分かれる領域ですが、私見をお話していこうと思います。

 

まず、セラミックについてですが、これは陶器のお皿のようなイメージの材質です。利点欠点を簡単にまとめると

 

(利点)

①見た目が天然の歯と近く自然

歯垢が付きにくく、汚れを落としやすい

③接着技術を最大限に利用できる(歯と強くくっつけられる)

④使用する接着剤が唾液で溶けない

⑤金属アレルギーでも問題ない

 

(欠点)

①ゴールドより削る量は多い

②割れることがある

③費用が高い(保険と比べて)

④ゴールドより歯への適合が劣る

 

が挙げられます。

 

次に、ゴールドですが、これは昔からある材料で、古くから長持ちすると言われております。ゴールドの利点欠点も列挙しますと、

 

(利点)

①歯との適合が抜群

②金属アレルギーの方でもほぼ大丈夫

③削る量が少ない(セラミックと比較して)

 

(欠点)

①見た目が自然ではない

②柔らかい(すり減ることがある)

③接着の力を十分に発揮できない

 

というところかと思います。

 

以上を踏まえ、私は個人的にはセラミックがベストだと考えております。

(*ドクターに正しい知識と技術がある前提ですが)

その理由をお伝えします。

 

理由を語るうえで、キーワードとなるのが、先ほどから何度か登場している「接着」です。では、解説していきます。

 

やや専門的な話になりますが、近年、この「接着」技術は劇的に向上してきています。

接着というのは、詰め物や被せ物を歯とくっつけて、維持させる技術です。

接着が正しく適切に行われれば、詰め物が割れたり取れたり、というのは激減します

 

*ゴールドにも言えることですが、治療したセラミックを維持させるには、接着に加え、噛み合わせの調整技術や、治療後の管理も要求されます。ここは両者に共通する部分なので、今回のテーマからは除外します。

 

この「接着」ですが、レジンセメントという、光で固まる接着剤を使って行います。

ちょっと難しい話になってきたので、写真も交えながらお伝えします。

 

まずセラミック。こんな感じです。技工士さんが、石膏の模型上に、このような状態で作ってくださいます。

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これがセラミックの詰め物です。1cmくらいの大きさですが、知り合いの技工士さんは以前、これを作るのに8時間くらいかかるとおっしゃっていました。技工士さんには頭が上がりませんね(^^;)

 細かい工程は端折(はしょ)りますが、このように前準備して、いろんな処理をし、

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最終的にレジンセメントでくっつけます。

この工程は、一瞬の対応の遅れで、セラミックが浮き上がったり、セメントが取れなくなったりする可能性があるので、かなり集中力や慎重さが求められます。ある意味、歯科医師の技術の差が出るところとも言えます。そのため、写真を撮る余裕はほぼありません。。。接着させるところは、慣れていても毎度めちゃくちゃ神経をすり減らすポイントの1つですね(^^;)

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 次の写真は、レジンセメントを固めている時のものではないのですが、イメージ的にこんな雰囲気です。実際には、セラミックの内面にレジンセメントを塗り、セラミックの上から光を当てて歯とくっつけていきます。

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写真のように、ラバーダムと呼ばれるシートを使って、しっかり唾液や呼気を遮断しながら正しく接着の手順を行えば、歯とセラミックはすごくよくくっつきます。

うちのクリニックの場合、技工士さんの腕もかなりいいので、ゴールドより適合(フィット)は劣ると言われるセラミックでも、毎回ほぼぴったりな精度で仕上がってきます。

 

私がセラミックを推す理由は2つあります。

 

1つ目はセラミックであれば光がしっかり内部まで透過して届くから、です。レジンセメントは、光で固まり、そのあと光なしでも自然に固まっていきます。この時、光の力を借りたほうが強くくっついてくれます。これはかなり大きな利点です。

 

2つ目はレジンセメントは固まった後に唾液で溶けないから、です。唾液で溶けないため、歯とセラミックの間に新しく隙間はできません。

 

・歯とセラミックの間に、隙間が小さい状態で仕上がってきて、

・その小さい隙間をよくくっつくセメントで接着し、

・セメントが唾液で溶けなければ、

 

歯磨きやフロスがちゃんとできる環境になるので、清掃不良による虫歯のリスクはほとんど0ですよね。なんとなくイメージ湧きましたでしょうか?

 

逆に、ゴールドだと接着させるときに光が内部に届かないんですよね

レジンセメントを使えなくはないのですが、レジンセメントを使ったとしても光の力をほとんど利用できず、自然に固まる力だけで硬化するので、接着力的にはセラミックよりは不利なのです。 

 

なので、ゴールドを歯とくっつける場合、接着剤(厳密には接着剤とは言わないのですが)は保険で使うセメントという先生も多いです。

ただ、保険のセメントだと、唾液で溶けてしまうため、セメントの部分に穴が空いたりすれば、虫歯が再発してしまうと思います

 

実際に、最近はストレス社会で、歯ぎしり・食いしばり問題を抱える患者さんが増えているので、ゴールドだと柔らかくて欠けてしまい、歯とのつなぎ目で欠けているケースはちらほら見受けられます。その欠けたところから虫歯になっている方もいらっしゃるので、私の中では、しっかり頑丈に接着できて、歯と一体化できるセラミックのほうがいい、という結論に至りました。

 

ちなみにインスタで見かけた、ゴールドの虫歯です

https://www.instagram.com/p/B2iykdNpnNu/?igshid=9hgstgojr60k

 

ただし、両者の利点欠点をお話をした上で、ゴールドをご希望であれば、ゴールドで治療させていただいております。

 

まとめですが、

 

①虫歯治療(プラスチックでは治せないもの)はセラミックがベスト

②ただし、ドクターが接着や噛み合わせについて技術があるのが前提

③治療後はマウスピース装着が望ましい

 

以上です。

 

まとめの③は、突然出てきましたが(笑)、これについては次回お伝えします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*^^*)