こんにちは、歯科医師のイブスキです😊
最近とても頻繁に遭遇する、患者さんの「ある状態」がありまして、それが歯科治療をする上で大きなネックになっていることをどうしてもお伝えしたくて、この投稿をまとめることにしました。
この内容が必要な方にシェアされるのは私自身の願いでもありますし、現在歯医者に通院中の一部の患者さんにとってきっと大きなプラスになると考えております。
お伝えするのは、「口が開かない人が開けられるようになる方法」です。えっ?それってそんなに大事なの?
超大事です!!あなたの口腔内の治療精度に大いに影響を与えます😅
口が開かない人すべてに適応できるものではありませんが、かなり多くの人に当てはまるので、やる価値はあると思います。
ただ、あくまで私の経験上ですが、口が開かない方って、あまりそこを気にしていない割合も高いんだよな、、
そういう方々がわざわざ検索して、このページに辿り着いてくれるかな〜😂
、、、という若干の不安もありますが(笑)、文章を書き始めてしまったので
今回は以下の内容についてお伝えしていきたいと思います!!
①そもそもなぜ口が開かなくなるのか?
②これからお伝えする方法が有効な方の特徴
③口が開かないと歯医者に行ったときどんな影響があるのか?
④どうやったら口が開くのか
この4つについてお話していきます。
*読むのが面倒な方は先に④に飛んで、興味が湧いたら①~③へ遡るといかもしれません。
①口が開かなくなる理由
様々な理由がありますが、よく遭遇するのは口を開ける筋肉(開口筋)の酷使・疲労です。
開口筋が疲労する原因は圧倒的に歯ぎしりです。歯ぎしりは自覚がない方が大半ですが、自分で分かる歯ぎしりの有無のチェック方法がありますので、後ほどご紹介します。
以下は文献だけでなく、過去のヒアリングや経験などを含め行き着いた見解ですが、歯ぎしりが増えやすい状況としては
・心身の疲労
・睡眠不足 (もしくは睡眠が浅い時)
・ストレスを抱えている (転勤や引越しなどの環境の変化を含む)
・左右どちらかに顔を向けて寝る
などが挙げられます。
また、特に歯ぎしりで筋肉を酷使するのが
・歯並びに問題があり、歯ぎしりがうまくできない
(歯と歯がぶつかって、左右へスムーズに顎を動かせない)
・抜けた歯をそのままにしていた結果、向かい側の歯が伸びてきて、周辺の歯とぶつかっている
等といったシーンとなります。
こういった状況下で開口筋を酷使すると筋肉が硬く伸びにくい状態となり、結果口が開かなくなっていきます。
腕立て伏せや腹筋をしたら、腕やお腹が硬くなるのと同じですね。
②これからお伝えする方法が有効な方の特徴
①のお話より、開口筋が張ってる方が対象であることをお伝えしましたが、そういった方の傾向として、治療中に感じるのが
・頬の粘膜が硬い (触った瞬間分かります)
・内側の頬の粘膜に噛んだ形跡がある
・歯科用のミラーで押さえたときに、舌の抗う圧が強い
・肥満傾向の方の割合が高め
・慢性的に睡眠不足や疲労を感じている方の割合が高め
・性格的に忍耐強そうなタイプの人が多い印象
(我慢してストレスを抱えやすい?)
等となります。
(*もちろん例外はあります)
今までに
・歯医者でよく口を強く引っ張られたり、
・口を開けるようしつこく言われたり、
・強く舌を押さえられた経験のある方、、
今回のお話に該当する可能性がかなり高いです。
③口が開かないと歯医者に行ったときどんな影響があるのか?
では本題ですが、口が開かないとどのような問題が出てくるのでしょうか?
まずは歯科医師の立場からお伝えさせてください。
・虫歯治療(削って詰める、削って被せる)の場合
タービンや5倍速コントラと呼ばれる治療用の器材が入りづらいだけでなく、削るために用いるバーと呼ばれる部分も制限のある角度で挿入せざるを得ないため、特に奥歯の治療の際に削りこみが不足しやすくなります。
また、よく状態をよく見ることができなければ盲目的に近い状況で削らなければならず、当然治療精度が落ちる原因となります。
・根管治療(歯の神経のスペースを綺麗にする治療)の場合
ファイルと呼ばれるギザギザのやすりのような器具を使用しますが、歯の神経のスペースに入れるのが非常に困難になります。
歯科医師の方には共感が得られると思いますが、上顎第二大臼歯の近心頬側根(MB根)が湾曲していたりすると最悪ですよね(笑)
平たく言うと、歯の神経の入り口というかなり狭いスペースに、細いやすりを挿入しづらいだけでなく、歯の根っこが曲がっていたり、中が硬くなっていたりという状況も重なると激しく治療の難易度が上がり、無理な進め方をすると治療用のファイルが折れる原因にもなります。
また、根管治療の際に感染を減じる目的で上記の写真のようにラバーダムシートを使用することがありますが、ラバーダムシートにより更に口の可動域が狭まり、使用が困難に陥る場合もあります。
・その他
インプラント治療の際に狙った角度でインプラントが入れづらい、口腔内の手術の際に十分に視野が確保できない、機材が届かないなど、先述と同様の問題が起こりえます。
逆に患者さんの立場からするとどうでしょうか?私が拝見してきた限り、
・ずっと気合で口を開け続けなければならず辛い
(開ける量的にも、開けている時間的にも)
・一度に処置が十分進まず、また次回仕切り直さなければならない
・精度が落ちたまま治療が進むと、後々痛みが再発するなどの問題が起こりやすい
などが挙げられるかと思います。
意外に無視できない問題ではないでしょうか?
④どうやったら口が開くようになるのか
ということで結論に入ります。
今回の話に該当する方はここを押してみてください。
ここは顎二腹筋と呼ばれる筋肉が走行しております。顎二腹筋は二手に分かれておりますが、このうち後腹と呼ばれる部分が口を開ける運動や歯ぎしりの際に動く部分となります。
ですので、直近で歯ぎしりをしていた方はここを押すと痛いことが多く、
慢性的に歯ぎしりをしている方の場合はこの部分が張っていて、押すと気持ちいいという方もいらっしゃいます。
(肩こりと同じイメージです)
顎二腹筋(後腹)を押して痛い方。それは歯ぎしりをしていたサインです。
歯ぎしりは音が鳴らないものも多いと言われているため、家族にも指摘されないことが多いですが、筋肉の痛みや張りはウソをつきません。
ということで、今回のお話に該当する方は、ぜひ顎二腹筋(後腹)をマッサージしてみてください。できれば1日5分。(張りが強い方はもっと長い方がいいように思いますが、長時間だと長続きしないと思うので5分としました)
お風呂で身体が温まっているときが効果的です。
私の実体験ですが、シャワーで患部を温めながら行うと痛みが少し緩和するように感じます。
やり方はこちらに動画を貼っておきますので、ぜひ参考にしてみてください。(↓そのうち消す可能性あります)
https://www.instagram.com/reel/CaJ0IiDh_0f/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
口が開かなくて治療が難航している患者さんと歯科医師の皆様が少しでも快適に治療を進められますように。
ホワイトスポットでお悩みの方へ。
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