そうだ、歯医者に行こう

歯の治療にまつわることを、詳しく解説していきます

第1話 「歯がしみるんだけど、虫歯?」

普段患者さんを拝見させていただいていて、一番多い主訴の1つが、「歯がしみる」とか「噛むと痛い」です。みなさんも心当たりありませんか?

 

歯がしみて来院される方はとても多いです。ほぼ毎日います(笑)

また、しみる原因が虫歯があるからだと思っていらっしゃる方もとても多いです。

実際に虫歯であることもあるのですが、結構な確率で「歯肉退縮」あるいは「WSD」であることが多いです。

 

結論から言うと、WSDが原因のしみはマウスピース軽減します。このことについては、後ほど解説します。

 

先述の言葉の補足として、歯肉退縮は、単に歯茎が下がっている状態を指します。では、WSDとはなんでしょうか?

WSDとは、Wedge Shaped Decayの略で、楔状欠損(くさびじょうけっそん)とも言うのですが、これは「歯と歯茎の境目が欠けた状態」を指し、慢性的に過度な力が歯に加わった時に生じるものです。WSDができてからの期間が長かったりすると、しみない方もいらっしゃるのですが、写真でお見せすると、こんな感じです。

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黄色の矢印に注目すると、歯の根元が欠けていることが分かります。

更に重度な方ですと、こんな感じです。

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黄色の矢印の部分ですが、なんと神経が露出しております。青色の矢印の部分は、咬合面(カチカチ噛んで当たる部分)が欠けております。 

 

しみる方は、鏡で歯茎の際を見てみてください。ここまでではないにせよ、歯茎が下がっていたり、歯の根元が欠けている可能性があります。

 

では、なぜ、WSDになるのでしょうか?

原因として言われているのが、①ブラッシング圧が強い説と②過大な咬合力(歯ぎしり食いしばり)説ですが、臨床実感としては、歯ぎしり食いしばりによると思われるものが圧倒的に多い印象です。また、噛み合わせが悪くて、奥歯に負担がかかりやすい環境であると、余計になりやすいです。

 

歯ぎしり食いしばりについては、実感がない方も一定数いらっしゃいます。実は、音の鳴らない歯ぎしりって多いのですが、「歯ぎしり=ギリギリ音が鳴るイメージ」が先行しているからか、「自分は歯ぎしりなんかしていない、ご家族から指摘されたことがない」とおっしゃる方もたまにいらっしゃいます。

ですが、口腔内外には、歯ぎしり・食いしばりの根拠となるものがいくつかあります。

念のため根拠となるものを列挙すると、

頬粘膜を噛んだ形跡

鏡で口の中の頬っぺたの内側を見ると、横に白く筋が入っている状態です。これは、頬っぺたを噛みながら食いしばってるサインです。

②下顎骨隆起

舌の横の歯茎付近に、硬い隆起ができている方がたまにいますが、これは慢性的な食いしばりで形成された、骨の盛り上がりです。

③歯を噛んだ時の違和感

特に、上の歯に違和感があるのか下の歯に違和感があるのかわからないことがありますが、それはその場所を上下で強く噛んでいたからです。*これは他の原因でも出ることがあります

④側頭部を押したときの痛み

これは肩こりが原因でなることもありますが、食いしばりでも側頭筋を酷使するため生じます。

⑤歯のすり減り(咬耗)

ゆっくり歯ぎしりして見ると、上と下の歯がピッタリ重なる位置があります。

 

などが挙げられます。

あとは、TCH (Tooth Contacting Habit)といって、日中無意識に上下の歯が触れているだけでも歯には負担がかかるため、これもしみる原因になることがあります。

 

では、WSDをもたらしてしまう歯ぎしり・食いしばりに対して、何か対策はできないのでしょうか?寝ているときは無意識なので、コントロールできませんよね?

 

話を整理しますが、WSDの根本的な原因は、特定の歯に負担が集中するような「噛み合わせ」と、歯ぎしり・食いしばりを中心とする、「過大な咬合力」です。なので原因を除去する対策を考える必要があります。

噛み合わせに関して、可能であれば、全顎矯正を行い、理想的な位置へ歯を配置するのが望ましいです。

理想的な位置、というのは話すと長くなるので今回は割愛しますが、要は歯ぎしりの力をうまく逃がせるように歯を並べた状態を指します。

 

また、過剰な咬合が発生する原因は、①精神的・肉体的な疲労②ストレス③睡眠不足のいずれかであることが多いです。季節の変わり目で、気温の変化がストレスになる方もいます。どうでしょう、思い当たりませんか?

なので、こういった環境・状況を排除できれば、理論上は収束に向かうことになります。

とはいっても、いやいや子育て中で睡眠とるのは難しいだとか、仕事が激務で休みもロクにとれないなんて方もいらっしゃいますよね。

 

なので対症療法として有効なのが、マウスピースです。

マウスピースもいくつか種類があって、選択を誤ると、余計症状が悪化することがあるので注意です。

 

だいぶ長文になってきたので、マウスピースの詳細については、改めてお伝えしたいと思います。

 

読んでいただきありがとうございます(^^)